tripleR 開発日誌

tripleRのプログラム開発に関するあれこれ

星座ガイドブックアプリ開発の経緯

星座ガイドブック(春夏編・秋冬編 藤井旭著)、ちょうと高校で天文部に入った頃に出版されたので早速購入。(高校生に1,300円はちょっと高かった)
観望会の度に、今度はこれを見よう、とやっていたものです。これほど情報が整理されたガイドブックは他になく(現在でもありませんが)まさにバイブル、でした。

でもその頃の望遠鏡は5センチ(タカハシではありましたが)。一応赤道儀ですが、目盛環もなく極軸望遠鏡もないもの。
明るい天体以外を導入するのは至難の業でした。

時は下って、大学も卒業、就職する頃。発売されたビクセンのスーパーポラリスは安価な赤道儀でありながら、極軸望遠鏡と赤経軸のモータードライブを装備、これなら導入も簡単になるだろうと購入するも、極軸合わせはまだまだ大変でした。

そして更に多くの時間が流れ、ついに自動導入経緯台が安価で入手できる時代に。
ケンコーのモデルを購入しましたが、セッティングこそかなり簡単になり、自動導入の精度も十分ながら、二重星のリストは貧弱、自分でデータを追加しようにも、なんと赤緯赤経のデータをテンキーで直接入力しなくてはならない!!

幸いにして、pcと接続してプラネタリウムソフトとの連携は可能になっており、このプラネタリウムソフトが階層状のデータをサポートしていた(星座毎に二重星のデータを持つためには絶対必要。なのに他の環境ではフラットなデータしか利用できなかった!!)ので、それを使って自動導入用のデータを作り始めたのですが、機能上どうしてもそれぞれの対象をマウスでクリックしてデータを手作業で追加する必要がありました。

それぞれの星の位置は星表などで既にデータ化されているにも関わらす、それを改めて作業しないとならない点に我慢ならなくなり、作業は中断しました。

そのタイミングで、skywatcherからAZ-GTiが発売されます。調べてみるとこの架台を駆動するアプリ(SynScan)にはちゃんとAPIが用意されていて、赤緯赤経のデータさえあれば他のプログラムから自動導入が可能になることが分かりました。
つまり、星座毎の二重星のリストと星表のオンラインデータが有れば後は簡単なプログラムでデータ作成はできるので、ユーザインタフェースの部分だけ作ればok、ということになります。
UI部分は手間がかかることが多いのでちょっと躊躇したのですが、誰もアプリを作ってくれそうにないので諦めて開発を開始しました。
androidアプリは全く初めてだったのですが、UI部分についてはandroidの場合、予め用意されている機能が多かったので、それほど困ること無く、動作するレベルのものは3ヶ月ほどで開発出来ました。

その後、ViewLIstなどの機能を付け加えたり、微動部分を開発したり(これは単機能アプリとして既に公開済みです)、星座ガイドブックのデータを書き出したり(これは個人用)して、近日公開予定です。